本日レビューするのは、こちらのBluetoothレシーバー機能付きポータブルUSB-DACアンプです。
【VGP2022受賞】Audirect Beam3PLUS Bluetooth 5.0 レシーバー/ヘッドフォンアンプ
Audirect






Audirect(エーユーダイレクト)社が2021年10月22日に日本国内で販売を開始したワイヤレス対応ポータブルUSB-DACの新製品
Audirect Beam3PLUS

Audirect Technology Co.、Ltdは、中国を拠点とし高品質なオーディオ・映像機器を製造するメーカー。

つい先日、私のブログで同社の『Audirect Beam2se-21』というポータブルUSB-DACアンプもレビューさせていただきました。

もしよろしければそちらの記事も合わせてご覧いただければと思います。

2021年11月 過去記事>>>『Audirect Beam2se-21』非常にコンパクトなサイズながらPCM32bit/768kHz・DSD512・MQAに対応、ハイレゾ配信を高音質で楽しめるポータブルUSB-DACアンプ

それでは今回の『Audirect Beam3PLUS』を開梱していきます。
※今回の製品も、Audirect(エーユーダイレクト)社の日本正規代理店であるIC-CONNECT様より、レビュー用として実機を送っていただいてのレビューとなります。
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前回ご紹介した『Audirect Beam2se-21』は、USBケーブルによる"有線接続"によって、スマートフォンやタブレット、PCでの高音質音源再生が可能となるポータブルDACでしたが、今回の『Audirect Beam3PLUS』は、有線接続だけでなくBluetooth 5.0準拠のレシーバー機能を備えて"ワイヤレス接続"も可能となっているポータブルUSB-DACとなります。

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ワイヤレス接続が可能となっているポータブルDACは、前回ご紹介した『Audirect Beam2se-21』のように有線接続のみのポータブルDACと同様に、ここ最近急激に需要が増えているジャンルの製品となっており、他社製のものでは『SHANLING UP5』や『FiiO BTR5』、そして11/19には『iFi Audio GO blu』という製品がリリース予定など、各社ラインナップを揃えてきています。

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パッケージ内容は、本体、USB Type-C to Type-Cケーブル、USB Type-C to Type-A変換アダプタ、説明書。

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手に持ってみるとこのようなサイズ感。
感覚で言えばミント錠菓のフリスクのケースのように感じたので調べてみると、『Audirect Beam3PLUS』がW39×H12×D75mm、フリスクケースがW36.9×H10.9×D70.4mmということで、フリスクケースより僅かに大きいくらいでした。
重さは約69gです。

Audirect Beam3PLUS』のDACチップには、『Audirect Beam2se-21』と同様にESS Technology社の「ES9281AC PRO」というDACチップが採用されており、PCM:最大32bit/768kHz、DSD:最大512、そしてMQAをサポートしています。
オペアンプは『Audirect Beam3PLUS』では2基搭載されています。

※MQAは、より高い圧縮技術を使用して、ロスレスを実現するコーデック技術の1つ。
オリジナルマスターサウンドを小さなファイルサイズに収める事ができ、ストリーミング等でも、オリジナルのマスターサウンドを楽しむことができます。



また、BluetoothレシーバーとしてはSBC・AAC・aptXのほか、aptX HD、LDACにも対応しているのも注目ポイントです。

各部分をアップで見ていきます。
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ボディは一体成型の金属製。
前面と背面は黒、それ以外の側面などは紺色の本体となっており、前面にはaudirectのロゴマークと縦に赤いラインが入ったデザインとなっています。
また、赤いライン上には、バッテリーレベル・ゲイン・サンプリングレートそれぞれを知らせる3つのLEDインジゲーターが備わっています。

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背面には、MQA対応であることがわかる表記が印字されています。

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天面にはUSB Type-C接続ポート、モード切り替えスイッチ(Bluetoothモード/USB-DACモード)、ストラップポート、マイク

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底面にはオーディオジャックが2つ備わっており、一般的な3.5mmジャック(シングルエンド)の他、本機では4.4mmジャックによるバランス接続が可能となっております。

・3.5mmシングルエンド出力レベル ≧141mW(16Ω)≧122mW(32Ω)≧7mW(600Ω)
・4.4mmバランス出力レベル ≧110mW(16Ω)≧230mW(32Ω)≧27.78mW(600Ω)

全高調波歪 <0.0004%、推奨インピーダンス 16 - 600Ω、SN比 118dB。


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右側面には、電源ボタン/電話応答ボタンとゲインボタン

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左側面には、音量+/曲送りボタン、再生/停止ボタン、音量-/曲戻しボタン

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【USB-DACモード】
まずは有線接続によるUSB-DACモード。
本体天面のモード切り替えスイッチをUSB-DACモードに切り替えて、再生機器に接続すると使用可能となります。
上の写真は『Google Pixel 4』×『ikko Gems(ジェムズ) OH1S』の組み合わせです。

Audirect Beam2se-21』と同様に独自規格のポートではなくUSB Type-Cタイプのため、社外製のOTGケーブルも問題なく使用することができます。

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ちなみにMacBook Airに『Audirect Beam3PLUS』を接続した場合、サウンド設定画面から出力を"Beam 3Plus"に切り替えることで、『Audirect Beam3PLUS』からの出力が可能になります。

【ゲイン切り替え】
本体右側面にあるゲインボタンを短押しして、ローゲイン・ミドルゲイン・ハイゲインとゲインモードを切り替える事ができます。
ゲイン状態はボタン左側と本体前面のLEDインジゲーターで確認可能です。
ローゲイン→緑、ミドルゲイン→黄、ハイゲイン→赤

【サンプリングレート表示】
再生中の音源のサンプリングレートを判別するLEDが本体前面に埋め込まれており、LEDのカラーによって下記の通りとなります。
・赤 → 44.1/48kHz PCM
・青緑 → 88kHz-384kHz PCM
・緑 → 8705kHz-768kHz PCM
・黄 → DoP
・白 → DSD Native
・赤紫 → MQA

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【Bluetoothモード】
再生機器との接続をワイヤレスで行う場合は、本体天面のモード切り替えスイッチをBluetoothモードに切り替え→本体右側面にある電源ボタンを3秒長押ししペアリングモード→端末側のBluetooth設定で"Beam 3Plus"を選択することで使用が可能となります。(次回からは最後にペアリングしたデバイスと自動接続されます)

【コーデック表示】
接続しているコーデックを判別するLEDが本体前面に埋め込まれており、LDACとaptX HD接続時には青色、それ以外のコーデック接続時には赤色となります。

【Bluetoothモードでのハンズフリー通話】
スマートフォンとBluetoothモードでの接続時には、本体天面に内蔵されたマイクを使用したハンズフリー通話が可能です。(USB-DACモードでは使用不可)
スマートフォンへの着信時に、本機右側面の電話応答ボタンを押すことで通話が可能となります。

【本体充電】
USB-DACモードで使用する場合はバスパワーで動作しますが、Bluetoothモードを使用する場合は本体のバッテリーが必要となります。
本体の充電方法は、本体天面のモード切り替えスイッチをBluetoothモードに切り替えた状態でUSBポートと充電器を接続します。
バッテリーの残量状況は、本体前面のバッテリーレベルを知らせるLEDで確認することができ、LEDのカラーによって下記の通りとなります。
(赤→ バッテリー低下、・緑→ 充電中、・消灯→ 満充電)
本体に液晶ディスプレイが備わっていないため、バッテリー残量を細かく知ることができないのはちょっと残念ではあります。

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【音質感想】
Audirect Beam3PLUS』を有線のUSB-DACモードで聞いてみた印象としては、『Audirect Beam2se-21』と同様に全体的にクッキリとした音質で癖の少ないサウンド。
DACチップは同様ではあるものの、『Audirect Beam3PLUS』ではオペアンプが2基、そしてバッテリーが搭載されていることもあるためか、厚みと解像感そして広がりが『Audirect Beam3PLUS』の方がありつつ、より艶感のある上質な音に感じました。

また、『Audirect Beam3PLUS』の3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス接続を、同イヤホン同ケーブルの組み合わせ(4.4mmのケーブルで3.5mmの時に変換プラグを使用)で聴き比べてみたところ、4.4mmバランス接続の方がボーカル帯域を中心に中高域がよりクッキリはっきりと明瞭感のあるサウンドになる印象を受けました。
4.4mmバランス接続は出力が高いので、鳴らしにくいイヤホンやヘッドホンをさらに余裕持って鳴らせるというのもメリットですね。
しかしながら、中高域が少し強調されたようにも感じるので、この製品に限らずどのDAPでも言えるように合わせるイヤホンによっては3.5mmのシングルエンドの方が聴きやすいと感じる場合もあるので、お使いのイヤホンに合わせて使い分けしていただければ良いかと思います。

そして、ワイヤレスのBluetoothモード(LDAC接続)で聴いてみた印象としては、LDAC接続という恩恵もあるのか、思っている以上に高音質で驚きました。
正直、端末側との接続で有線接続とBluetooth(ワイヤレス)接続ではもっと顕著に差が出るだろうと思っていたのですが、パッと聴いた感じかなり近い音質だなと思いました。

もちろん、しっかりと聴き込めば細かい質感など違いはあり、そこそこ良質なイヤホンを複数所有していて普段から音楽をただ楽しむというだけでなく、"音質"という部分にもこだわって聴きこむオーディオ好きな方なら違いは分かると思いますが、多くの方は(LDAC接続の場合)これならBluetoothモードの方が便利だし良いねと感じるのではないでしょうか。

かくいう私も、ブラインド状態で今聴いているのはUSB-DACモードかBluetoothモード(LDAC接続)どちらでの音でしょう?と聴かれたら当てる自信がないですね、、、

Bluetoothモードを使用していて気づいた点としては、本体に装着するクリップのような付属アクセサリーがあれば、衣類などにサッと固定できてより便利なんだけどなぁとは思いました。

もしも予算が許すのであれば、先日ご紹介した『Audirect Beam2se-21』よりも今回の『Audirect Beam3PLUS』を購入された方が、使用用途にバリエーションがありバランス接続も可能なので間違いないです。
逆に、バランス接続が不要でBluetoothモードもなくていいという方は、非常にコンパクトでより携帯性に優れたAudirect Beam2se-21』が良いかもしれませんね。

Bluetoothレシーバー機能付きポータブルUSB-DACをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください!
おすすめです!

【VGP2022受賞】Audirect Beam3PLUS Bluetooth 5.0 レシーバー/ヘッドフォンアンプ
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